はじめに – 健診のたびに落ち込む日々
執筆時点でうちには1歳と3歳の男の子がいます。
健診のたびに「言葉の遅れがあります」と言われ続けてきました。
評価上の事実を伝えてくれているだけとは思いますが、毎回落ち込んで帰ってくる妻。
個人的には、自分の子供がどうなっていようと、そのときそのときで出来ることをするしかない。
万が一の時のためにもしっかり働いて、お金も作っておこう。とは思っていますが、落ち込む妻の気持ちも分かります。
「成長が通常と違う」=「私たちの育児のせい?」と勝手に変換しているんですよね。
そんなときに子どもの発達について調べるのですが意外と情報は出てこない。
ただ、同じ様なことで悩んだ経験のある親も多いはず。
ということで、ただの備忘録ですが書いていきたいと思います。
乳幼児健診(定期健診)
自治体が実施するもので、発達の節目ごとに行われます。一般的なスケジュールは以下の通りです(Chat GPTで作成):
1か月健診(主に産婦人科で実施)
3~4か月健診
6~7か月健診
9~10か月健診
1歳半健診
3歳児健診
結構頻回にあるんですよね。
自治体によって、心理師や言語聴覚士等の専門家がいたりいなかったりするようです。
また、使用する発達検査も調べた限りは統一されてはいない様子。
研究で評価尺度開発などもしてきた身としては、いつどの国のどんな対象で何を根拠にした評価を使っているのだろうか。。とか気になってしまいます。
今までの育児記録にもあるように、必死にやっている中、評価の結果標準値から外れていたとしても「発達が遅い」という言葉は心理的にかなり追い打ちをかけますね。
一般的な言語関連の成長過程
1. 泣き声・クーイング期(0〜3ヶ月)
- 特徴: 産声や泣き声で感情を表現
- クーイング: 「あー」「うー」などの母音を中心とした音を発する(生後6〜8週間頃)
2. 喃語(バブリング)期(4〜12ヶ月)
- 特徴: 「バババ」「ダダダ」などの繰り返し音を出す
- 音韻の発達: 周囲の言語の影響を受け始め、発声が言語らしくなる
- ジェスチャーの活用: 指さしや手振りが増える(言語理解の前兆)
3. 一語文(約12〜18ヶ月)
- 特徴: 「ママ」「ワンワン」など単語を一つずつ発する
- 意味の広がり: 「ワンワン」が犬だけでなく他の動物を指すことも(過剰拡張)
4. 二語文(18〜24ヶ月)
- 特徴: 「ママ きた」「ワンワン いた」など、単語を組み合わせる
- 基本的な文法の発達: 語順や助詞が少しずつ理解される
5. 多語文(2〜3歳)
- 特徴: 「ママ、おやつ ちょうだい」など、3語以上を組み合わせる
- 助詞や動詞の変化が増える: 「○○した」「○○だから」
- 疑問詞の使用: 「なに?」「どこ?」と質問が増える
6. 基本的な文法の獲得(3〜5歳)
- 文法が発達: 過去形や否定表現が増える
- 語彙が急増: 一日に数語ずつ新しい単語を習得
- 社会的な会話能力の発達: 相手の発話に応じる、会話の順番を守る
7. 言語能力の定着(6歳以降)
- 大人並みの言語能力に近づく
- 書き言葉の習得: 読み書きを学び、文法の精度が上がる
- 抽象的な表現が可能になる: たとえば「おもしろい」と「興味深い」の違いを理解する
ただですよ。
研究とかかじってる立場で考えると、これはどこの国のどの時代のどんな対象のデータを基に「正常」として示しているのかは疑問に思うところです。
調べが足らず・・なのですが、おおもとの文献とかはみつけられませんでした(上記はChat GPTとの会話で作成)。
最近の日本人のデータで改めて収集してみては?とも思ったりします。
また、これを正常、異常として判断する立場の人たちは少なくともその辺の知識はあっては欲しいものです。
詳細なうちの子の言葉の記録(実際のメモから)
同じような状況の親御さんの参考になればと思い、実際に記録していた言葉の変遷をご紹介します。
2歳0ヶ月時点(11語)
- はーい!(返事)、バイバイ、ババ(バナナ)、あった!、どこだ〜?
- おう、あう(ゾウ)、バウバウ(犬)、パウパウ(パウパトロール)
- アンパン(アンパンマン)、ガオガオ(ライオン・トラ・恐竜)、おーだい(ちょーだい)
2歳3ヶ月時点(新たに21語追加、合計32語)
- 動物の鳴き声や名前の語彙が増加:ワンワン、コッコー(にわとり)、ウホウホ(ゴリラ)
- 家族を呼ぶ言葉:かー(おかあさん)、おとう(お父さん)、ジジ(おじいちゃん)
- 食べ物:かん(みかん)、ご(りんご)、コー(コロッケ)
- 色:あかー(赤)、あおー(青)
2歳6ヶ月時点(新たに38語追加、合計70語)
- 身体部位の認識:あっ!(歯)、けっ!(毛)、えっ!(目)、てっ!(手)、あし(足)
- 初期の2語文が出現:「ちっち だー」(うんち でた)、「ブッブだー」(車 いた)
- 挨拶や社会的な言葉:おうよ〜(おはよう)、でぢたっ!(ごちそうさまでした)
2歳9ヶ月時点
- 2語文から3語文への移行期
- より複雑な要求:「あーたん きてー」(おかあさん 来て〜)
- 質問形:「〇〇 どこー?」(お父さん どこ?)
- 動作の組み合わせ:「ンポ てー」(パトカーの動画 見せて)
3歳0ヶ月時点
- 3語文の確立:「ママ ヨー どうぞー」(ママ ヨーグルト ちょーだい)
- 複雑な要求:「ママ 〇〇 おーじぃ」(ママ 〇〇 ほしい)
- 歌が歌える:かえるのうたを擬音語で歌唱
記録から見えてきたこと
語彙の特徴
- 動物の名前や鳴き声への強い興味
- 家族や身近な人を呼ぶ言葉の発達
- 食べ物や日常生活に関する語彙の蓄積
- 身体部位の認識と言語化
文法発達の段階
- 2歳7ヶ月頃から2語文が安定
- 2歳9ヶ月頃から3語文への移行
- 3歳で複雑な要求や質問ができるように
コミュニケーションの質的変化
記憶力を活かした学習(パウパトロールのキャラクター名など)
単なる単語から、相手に何かを伝えたい・要求したいという意図的なコミュニケーションへ
ジェスチャーや表情を豊かに使った表現
うちは今3歳なのでここまでですね。
たしかに2語文3語文の出現のタイミングは遅かったのかもしれませんが、最近では漢字のカードを保育園でならってきて読んだりしてくれます。
子供の記憶力おそるべしですね。
言葉がゆっくりだからこそ見えたもの
これは完全に私の感覚的な観察ですが、言葉の獲得がゆっくりだった分、表情やジェスチャーでの表現が非常に豊かになったように感じます。とても人間らしい、温かいコミュニケーションを取ってくれます。
今回の成長過程はあくまでうちはこうだった。というものです。
ただ、ケースバイケースのうちの一例の参考になれば幸いです。
少しゆっくりだからと言って、特別に何か教材を買ったり、通わせたりしたわけでもありません。
ただ、小児のリハビリテーションなどを通して改善などをするケースもありますので、公的保険でそれが受けられる日本なので、その特権を活かしてそれはそれで活用すれば良いのだと思います。
うちも療育を奨められたりしたのですが、その時に通い始める保育園の先生から「別に他の子とそんなに変わらないですし、うちでみてみますよ。」と声をかけていただき、行くことはしませんでした。
どちらが良い悪いという話ではなく、その時その時の状況と出会いで冷静に、子どものために選択するのみですね。
同じ悩みを持つ親御さんへ
今回の記録は、あくまで「うちの場合はこうだった」という一例です。すべての子どもに当てはまるわけではありませんが、同じような状況で悩んでいる親御さんの参考になれば幸いです。
大切なことは:
- 発達には個人差があるということ
- 数値や平均値だけが子どもの価値を決めるわけではないということ
- その子なりの成長のペースと表現方法があるということ
- 親が自分を責める必要はないということ
子育ては長い道のりです。一つ一つの健診結果に一喜一憂するよりも、日々の小さな成長を大切にしていきたいと思います。
この記事が同じような経験をしている親御さんの心の支えになれば幸いです。子どもの発達について心配なことがある場合は、信頼できる専門家に相談することをお勧めします。